鞣し(なめし)の皮革加工と種類
目次
「鞣(なめ)し」について
皮は柔軟性に富み非常に丈夫ですが、そのまま使用するとすぐに腐敗したり、乾燥すると板のように硬くなり柔軟性がなくなります。
この大きな欠点を補うのが鞣(なめ)しです。
鞣(なめ)しとは樹液や種々の薬品等を使って、この難点を取り除く方法が「鞣(なめ)し」と言います。
「鞣(なめ)し」の種類
・タンニンなめし
植物の樹皮、根、葉などから抽出した植物タンニンを用います。
タンニンなめしの革は、水をよく吸い、水を含むと柔らかくなり、伸びたら元に戻らないという特徴があります。
カービングや革細工に最適の革です。
代表的な革としては、ヌメ革などがあります。
・クロムなめし(通称:Wet-Blue(ウェットブルー))
植物タンニン液のかわりに、塩基性硫酸クロームを用います。
タンニンなめしに比べ、軽く仕上がり、吸水性が少なく、柔軟性、伸縮性に富みます。
レザージャケットやブーツなど、現在ではほとんどの革製品がクロムなめしされた革を使用しています。
・コンビネーションなめし
タンニンなめしとクロムなめしを組み合わせたもの。
・脳漿なめし
古来伝わる古いなめし法。
技術が失われつつあったが、少数の有志により復興中。
・アルデヒドなめし(通称:Wet-White(ウェットホワイト))
環境問題からタンニンなめしの革と同様にクロム(メタル)フリーの革として普及してきている。
クロムなめしに比べてややコストが高めになる。